【合唱曲】花がほほえむ 楽曲の解説 歌い方のコツ   楽譜付き

曲の解説
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【合唱曲】 花がほほえむ 全パート 楽譜付き 宮下奈都 三宅悠太 https://chorus6.com/2023/07/%e3%80%90%e5%90%88%e5%94%b1%e6%9b%b2%e3%80%91-%e8%8a%b1%e3%81%8c%e3%81%bb%e3%81%bb%e3%81%88%e3%82%80-%e5%85%a8%e3%83%91%e3%83%bc%e3%83%88-%e6%a5%bd%e8%ad%9c%e4%bb%98%e3%81%8d-%e5%ae%ae%e4%b8%8b/

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曲の概要と歌詞の要点

作詞者:宮下奈都 さん

宮下奈都さんは、1967年に福井県福井市に生まれた小説家です。上智大学文学部哲学科を卒業後、3人目の子供を妊娠中に執筆した『静かな雨』で文學界新人賞佳作に入選し、デビューしました。その後、『スコーレNo.4』『誰かが足りない』『羊と鋼の森』などの作品で注目され、2016年には『羊と鋼の森』で本屋大賞を受賞しました。瑞々しい感性と綿密な心理描写が特徴的な作風で、やさしさや強さというテーマを多く取り上げています。2013年からは家族5人で北海道新得町に山村留学を経験し、その体験をエッセイにも綴っています。

宮下奈都さんのプロフィール(新潮社のサイトから引用)URL: https://www.shinchosha.co.jp/writer/3847/
(本屋大賞公式サイトから引用)URL: https://www.honyaclub.com/award/13th/

作曲者:三宅悠太さん

三宅悠太さんは、1983年に東京都に生まれた作曲家です。東京芸術大学作曲科を卒業し、同大学院修士課程を修了しました。2008年に第79回日本音楽コンクール作曲部門で第1位を受賞しました。多くのソリストや演奏団体から作品を委嘱され、合唱曲や器楽曲など幅広いジャンルで活躍しています。2016年には第83回NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部の課題曲『次元』を作曲しました。現在は聖心女子大学や都立総合芸術高校で教鞭をとっています。

三宅悠太さんのプロフィール(教育芸術社のサイトから引用)URL: https://www.kyogei.co.jp/data_room/profile/miyakeyuuta.html

  • 形態・形式:混声三部合唱の三部形式
  • 歌詞の要点: この曲は、やさしさや強さという抽象的な概念について考える人の心情を描いています。自分や他人に対してやさしくなりたいと思いながらも、強く生きることの難しさや苦しさに直面することが多いと感じています。しかし、それでも諦めずに自分の答えを探し続けることの大切さや希望を歌っています。
  • 主な詩の表現技法: 比喩・反復

メッセージやテーマの意味:

この曲のメッセージやテーマは、人生におけるやさしさや強さという価値観について考えることです。やさしさや強さという言葉はよく使われますが、実際にはその定義や基準は人それぞれであり、状況によっても変わります。だからこそ、自分自身でその意味を見つけ出すことが必要だということを伝えています。また、自分だけでなく他人のやさしさや強さも理解しようとすることも大切だということも示唆しています。この曲は、聴き手に対して、自分らしく生きることの勇気や希望を与えることを目的としていると思います。

表現技法の活用:

表現技法は、メッセージやテーマを強調したり、聴き手に印象付けたりするために活用されています。例えば、この歌詞には、比喩や反復などの表現技法が多く使われています。例えば、「花がほほえむ」「星が輝く」という比喩は、やさしさや強さが見えないものであっても、それらが存在することを美しく表現しています。また、「やさしさって何」「強いってどういうこと」という疑問文は、曲の始めと終わりに反復されており、聴き手にも同じ問いかけをする効果があります。また、「間違ってもいい」「正解はたぶんない」という歌詞は、聴き手に対して、自分の答えを探す過程で失敗することを恐れないで欲しいというメッセージを伝えます。

歌い方や演出のアイデア:

この曲を歌唱する場合、以下のような歌い方や演出が効果的だと思います。

  • 詩の内容に合わせて動きや表情を変化させる練習をするのも面白そうですね!実際に動いてみると、楽しみながら感情の変化をとらえることにつながりそうです。例えば、「そのたびにつまずいて、転んで、膝を抱えて」という部分では、実際にその動作をするか、またはそのような姿勢をとって、悩みや苦しみを表現するのも面白そうです。一方、「伸ばした右手が空を切る」という部分では、実際に右手を伸ばして、決意や希望を表現することができます。最初は楽しみながら、少しずつ曲にふさわしい感情がついてくると素敵ですね。

楽曲の解説:

この曲は、Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→アウトロという構成になっています。特徴的な音楽的要素は、以下のようなものがあります。

ピアノからすぐに歌い出しになるので、指揮者は女声がそろえられるように、しっかりと息を吐いてタイミングを作ってあげましょう。伴奏者も一緒にブレスをすることを忘れずに。

一字に対してアーティキュレーションが設定されている箇所が多いです。作者の思いを感じますね!休符に続くスラーは短くならないように、自然な余韻で。どうの上にあるアクセントは三善アクセントですのでなめらかな発音を心掛けましょう。

休符の後の子音を丁寧に発音しましょう。「ぼくら」→「おくら」のように聞こえてしまいます。

「そのたび」「つまずいて」「ころんで」など無声音が連続しますので、正しい日本語に聞こえているか聴きあいましょう。

詩の通り、息をまぜて、息をひそめて表現しましょう

「蹴る」が雑になりがちです。ソプラノの「空を切る」は反復していますので、二回目の表現は変化させましょう。

感情を昂らせて歌ってください。自分自身に訴える感じでしょうか。アルトの「つよく」の反復も、より詩の人物の思いを表現できるように工夫して設定されているような気がしますね。素敵だなあ。

全パートが揃うことで思いを強調していますね。言葉がずれると途端に魅力が伝わりません。指揮者も唱えてあげると良いと思います。「あなたがわかる」の「る」の後にアルトと男声が休符なので、減衰しがちです。クレシェンドを保って歌い、休符は吸うだけだと意識しましょう。

細かいブレスの指定も、想いを表現するための工夫です。「なんども」の「な」は三善アクセントですので軽くならずに「なあ」と発音したいですね。微妙ですが絶妙に発音したいところです。「な」が軽いと転んだ過去も大したことなさそうです・・・。「見ていたから」は口をたてにしたまま、唇を軽く巻き、丁寧に発音しましょう。

「見つけ」の×は子音のみで発音します。「z」という感じでしょうか。「いこう」の「こう」の弧線は「こお」と発音します。

「ひかり」「ほこり」は息を混ぜていないと「いかり」「おこり」に聞こえます😡

アルトの二回目の「いいな」は表現を変えましょう。また、アルトの終わりまでほかのパートは伸ばし続けましょう。

ソプラノの「はなが」の破線のスラーは息をよく混ぜて、大切に発音しましょう。

細部の細部まで丁寧に作りこまれた曲です。詩へのリスペクトがとても伝わってきます。

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