楽曲の概要と歌詞の要点
曲名: “桜、いってきます”
「桜を見上げた 涙が溢れた ありがとう まだここにいたいけど 季節は進んでく もう行かなくちゃ 夢にまで見た あの未来へと いってきます 桜 舞い散る」
作詞・作曲: 前山田健一さん
前山田健一さん、別名ヒャダインさんは、日本のミュージシャン、音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、編曲家、そして動画投稿者です。1980年7月4日生まれで、大阪府大阪市住吉区出身です。彼は、歌手やタレントとして活動する際には「ヒャダイン」という名義を使用しています。
編曲: 富澤裕さん
富澤裕さんは、作曲家・編曲家として多くのアーティストとコラボレーションし、楽曲に新たな命を吹き込む才能を持っています。「COSMOS」「believe」など、日本中で愛されている曲を有名な曲を数多く作曲していますね。「桜、いってきます」では、繊細なアレンジが曲の雰囲気を一層引き立てています。
歌詞の要点
この曲は、卒業や新しい旅立ちをテーマにしています。日常の当たり前の瞬間が過去のものとなり、新しい環境での挑戦が始まることを描いています。桜の花びらが舞い散る様子が、別れと新しい始まりを象徴しています。特に、親しい人々との別れの悲しみと、新しい環境への期待が交錯する中で、成長と前進の大切さを伝えています。
主な詩の表現技法
比喩
対象となる歌詞: 「桜を見上げた 涙が溢れた」
- 説明: この部分では、桜を見上げることで涙が溢れるという情景が描かれています。桜の花びらが舞い散る様子が、別れの涙に例えられています。桜は日本文化において別れや新しい始まりを象徴する花であり、この比喩は感情を強く伝える効果があります。
反復
対象となる歌詞: 「季節は進んでく」
- 説明: このフレーズは歌詞の中で何度も繰り返されます。反復によって、時間の流れとともに変わりゆく感情や状況を強調しています。聴き手にとって、時間の経過とともに進む人生の一コマを感じさせる効果があります。
擬人法
対象となる歌詞: 「桜の花びらがひらり」
- 説明: 桜の花びらがまるで感情を持っているかのように描かれています。擬人法を用いることで、自然と人間の感情がリンクし、聴き手に深い共感を呼び起こします。花びらがひらりと舞う様子が、別れの瞬間を象徴しています。
体言止め
対象となる歌詞: 「夢にまで見た あの未来へと いってきます」
- 説明: 体言止めは、名詞で文を終わらせる技法です。この部分では、「いってきます」という言葉で文を締めくくることで、未来への決意と期待を強調しています。聴き手にとって、未来への一歩を踏み出す瞬間の緊張感や期待感を感じさせる効果があります。
倒置法
対象となる歌詞: 「ありがとう まだここにいたいけど」
- 説明: 倒置法は、通常の語順を逆にする技法です。この部分では、「ありがとう」という感謝の言葉が先に来て、その後に「まだここにいたいけど」という気持ちが続きます。これにより、感謝の気持ちが強調され、別れの悲しみがより深く伝わります。
対句
対象となる歌詞: 「おめでとうの言葉の花束と みんなとアホやった思い出と」
- 説明: 対句は、対照的な言葉やフレーズを並べる技法です。この部分では、「おめでとうの言葉の花束」と「みんなとアホやった思い出」が対照的に並べられています。これにより、喜びと懐かしさが同時に伝わり、複雑な感情が表現されています。
これらの表現技法を通じて、「桜、いってきます」の歌詞は、聴き手に深い感動と共感を呼び起こすことができます。歌詞の中の感情をしっかりと表現することで、曲のメッセージがより一層強く伝わります。
メッセージやテーマの意味
この曲は、別れと新しい始まりの感情を描いています。親しい人々との別れの悲しみと、新しい環境への期待が交錯する中で、成長と前進の大切さを伝えています。特に、桜の花びらが舞い散る様子が、別れと新しい挑戦を象徴し、聴き手に感動を与えます。
曲の解説
男声から始まります。ここまではワンフレーズとしてとらえて歌いたいところ。8分休符や16分休符でフレーズがリセットしないように気を付けよう。「おはよう」の「よう」の弧線は「よお」と歌います。「えがお」の「が」は鼻濁音になるので、手前にnを入れて発音しよう。「あさごはん」の「ご」も同様です。
「あしたからは ひとり」の「ひ」は「いとり」と聞こえやすいのでしっかり息を混ぜて発音しよう。さっきのフレーズとは違い、「はるかぜ」までは休符がないので、できる限りノンブレスでいきたいところ。苦しいのであればカンニングブレスをしよう。「しらない」も油断すると「いらない街」と聞こえるので息を混ぜてはっきりと。
女声はいきなり英語で始まります。リエゾンできるといいですね。※リエゾンとは、単語の最後の子音と次の単語の母音の最初を混ぜて発音することです。
日本語の歌詞は一字につき一音ですが、英語は一単語につき一音が入ることが多いです。そのため、すべてはっきり発音しようとせず、省略するのが大切。ここでは、「じしざしーずん あびるっき ふぉわ とぅ」と発音するといい感じ。
「あ きゃんっ すとっ まい はーびーっ いぇいぇ」
「みおくるえがお」の「えがお」は鼻濁音になるので、「が」の前にnを入れて発音するようなイメージで。「むねが」の「が」も同様です。クレシェンドがあるので、女声は男声の「とつぜん」の「ぜ」で合わせて強くする感じでいくと男声とクレシェンドが揃いそうです。
「ひらり」は「いらり」と聞こえやすいので、息をしっかり混ぜて。ここからはポップス合唱特有の言葉の多さ。子音をはっきりしつつ、タイミングをそろえたいところ。練習方法としては、まずはパート内で円になってお互いの口の動きを見ながら、目で見てシンクロさせましょう。耳で聞いたらまずずれてます。もちろんマスクは外しましょう。それができたら全パートでひとつの大きな円を作り、他パートと口の動きが揃っているか目で見て確かめましょう。
主旋律はソプラノになります。手前でTUTTIで歌っているので、急に音圧が落ちてしまうかも。音量のバランスをみて、ここだけアルトからソプラノに歌うメンバーを増やすのも手です。
「さくら」など。この曲のタイトルにもあるように、「サ」行が多いです。サ行が多い曲は、涙をすする音と誤認するので、相手に悲しみや感動を誘う効果があります。丁寧に発音していきましょう。
合唱曲では横のフレーズを大切にする場面が多いですが、このようなスキャットや合いの手のような部分はリズムを感じさせるために縦をよく意識して歌いたいところ。前に声を飛ばすイメージでどんどん声を出していこう。恥ずかしがっていると見ている人も大変興ざめです。
ソロの掛け合いですね。ソリストがそれぞれ前に出てリリックをぶつけ合う感じで歌ったらとても映えそうです。身振り手振りで大胆に表現したいですね。
きれいに歌う意識よりも、タイプライターのように縦のリズムがわかるように歌いたいです。
転調しました。この曲は歌詞とリズムのわりに短調の推移をしているのが面白いですね。調が変わった時は、演奏者もより明るくなった意識をもって歌いたいですね。
「ふぇあうぇーる」「まいらぶり でーいず」 この曲の中で唯一。ハーモニーを感じられそうな部分です。他は1拍しかないか、3声のうち2声が同じ音だったり3声とも同じ音だったりしていました。
ミレラ の和音からラ♯ファシ の和音。この二つの和音だけ取り出して和音の変化を感じられるようにしてから、他の音を付けたいところ。 合唱という観点では、一番練習したいところですね。
こういった同じ母音が続くところは、作曲者の思いが込められていることが多いです。詩を入れ込むとなんだか冗長したりして音楽的でないため、あえて省略することが多いです。そのため、何か別の詩を入れてみると覚えやすかったり、タイミングをそろえやすかったりするのでお勧めです。
この曲はやはり、ポップス合唱らしく、歌詞が多いため、言葉の発音のタイミングをどれだけ揃えられるかがカギになると思います。ハーモニーを聞かせるところは1つ(2つ)のみ。強弱の変化もそれほど多くないですが、その分おざなりにせずに、ちゃんと表現することを忘れないようにしましょう。
追加のコメントやアドバイス
この曲を聴くと、誰もが経験する別れと新しい挑戦の瞬間を思い出すでしょう。歌詞の中の感情をしっかりと表現することで、聴き手に深い共感を呼び起こすことができます。また、合唱として歌う際には、各パートが感情を込めて歌うことで、より一層の感動を生み出すことができます。
ナレーター原稿
「この曲は、卒業や新しい旅立ちの瞬間を描いた感動的な作品です。桜の花びらが舞い散る中で、別れの悲しみと新しい始まりへの期待が交錯します。ヒャダインこと前山田健一さんの感情豊かな歌詞と、富澤裕さんの美しい編曲が、聴き手の心に深く響きます。」
まとめ
**「桜、いってきます」**は、別れと新しい始まりをテーマにした感動的な楽曲です。前山田健一さんの感情豊かな歌詞と富澤裕さんの美しい編曲が、聴き手の心に深く響きます。桜の花びらが舞い散る様子が、別れと新しい挑戦を象徴し、成長と前進の大切さを伝えています。この曲を通じて、誰もが経験する別れと新しい挑戦の瞬間を思い出し、感動を共有することができるでしょう。