楽曲の概要と歌詞の要点
曲名:「大地のように」
この大地に生まれ この街でみんなと出会えた
作詞・作曲:若松歓 さん
若松歓さんは、父親が『みんなのうた』の作曲家である若松正司さんの息子で、合唱曲やNHKの音楽番組の編曲を多く手がけている作曲家です。彼は、明るくポップな曲調や、心に響くメッセージが特徴的な作品を通して、子どもたちに夢や希望を与えたいという想いを持っています。彼の代表作には、『君とみた海』や『この地球のどこかで』や『PRIDE』などがあります。彼の作品は、CDや楽譜で聴くことや歌うことができます。また、彼は自身のホームページで、作品や活動内容を紹介しています。
http://www.kanwakamatsu.pro/
歌詞の要点:
この曲は、卒業や別れを迎える中学生たちの心情を表現した合唱曲です。同じ時代を共に過ごした仲間との絆や思い出、そしてこれからの未来への希望や決意を歌っています。大地という自然の象徴を用いて、自分たちの成長や夢を比喩的に表現しています。
主な詩の表現技法
比喩:
大地という言葉を使って、自分たちの人生や夢を比喩的に表現しています。大地は、広くて深くて強くて美しいものであり、それはまさに彼らが目指すものです。また、大地は自然の一部であり、自分たちも自然と調和して生きることを意味しています。
反復:
「この大地」という言葉が何度も繰り返されています。これは、彼らが生まれ育った場所への愛着や感謝を強調するとともに、その場所から離れても忘れないことを誓うことを表しています。また、「君」と「みんな」という言葉も反復されており、仲間との絆や支え合いを表しています。
対句:
「涙流して 微笑みあって」「苦しい時も 悲しい時も」「君も 僕も 私も」というように、二つの言葉や句が対になって並んでいます。これは、彼らが喜びや悲しみを共有したことや、それぞれが個性や性別を超えて仲間であることを表しています。
体言止め:
「僕らも!!」「何度も!!」というように、名詞で文が終わっています。これは、感情や強調を表す効果的な手法です。仲間と一体感を持って歌っていることが伝わります。
表現技法の活用:
この曲では、比喩や反復などの表現技法が上手に使われており、歌詞の内容やメッセージを強く印象付けています。特に、「この大地」という言葉は、彼らの人生や夢を象徴するものとして、何度も繰り返されています。これは、自分たちのルーツや目標を大切にすることを表しています。
メッセージやテーマの意味
この曲のメッセージやテーマは、仲間との絆や思い出、そしてこれからの未来への希望や決意です。同じ時代を共に過ごした仲間との関係を大切にしながら、自分たちの夢や目標に向かって進んでいきます。そのためには、自分たちが生まれ育った場所や自然を忘れずに、大きく生きることが必要です。この曲は、卒業や別れを迎える中学生たちにとって、心に響く応援歌となっています。
この曲は、仲間との絆や思い出を歌うだけでなく、自分たちの夢や目標を歌うことで、聴く人に勇気や希望を与えてくれます。この曲を歌う時は、想いを込めて、力強く歌ってください。。
ナレーター原稿
こんにちは。今日は、中学生たちにとって特別な合唱曲「大地のように」を紹介します。この曲は、若松歓さんという有名な合唱曲作家が作詞・作曲をしたものです。この曲は、中学校を卒業するときに感じる様々な感情を素直に歌っています。仲間との別れや感謝、自分の夢や目標、そして新しい道への挑戦などです。大地という言葉は、自然の力や美しさを表すだけでなく、自分たちの人生や希望を象徴しています。また、「君」と「みんな」という言葉は、仲間との絆や支え合いの大切さを伝えています。この曲は、卒業や別れを迎える中学生たちにとって、心に響く応援歌となっています。では、さっそく聞いてみましょう。「大地のように」です
歌い方のコツ
ユニゾンから始まります。「このだいちにうまれ」の「に」のように音が下がっての「い」の母音は口を横に引いてしまいがちです。喉が閉まらないように口を少し突き出すように発音しましょう。
「このまちでみんなとであえた」では「このまちで」でブレスをしないように気を付けましょう
「このがっこう」の「こう」の弧線は「こお」と発音してください。「おなじ」「ひとつ」「いつも」など、この曲は反復がとても多く使われています。詩の表現技法でも、強調を表しますが、音楽的にも同じ言葉を繰り返すときは表現を変えたいところ。たとえば、単純に強弱を弱→強としたり、伝える対象を自分→みんなにしてみたり、何かしらの意図をもって表現を工夫するといいですね。表現の工夫は、どんな意図をもっているかまではなかなか聴き手に伝えることは難しいですが、何も考えていないか、それとも何かしようとしているのかでは受け取り方も全然変わっていきます。ぜひ、思いや意図をもって変化をつけて歌ってみましょう。
「なみだながして」のあとに(v)の記号があります。必要であればここでブレスを。といったニュアンスになるので、「ほほえみ」の前に息を吸いすぎないように気をつけましょう。「あって」にフレーズの頂点をもってくることが考えられるので、ここでブレスのために間をあけてしまうと大きなフレーズがつくれません。
ここで気を付けたいポイントは2つ。
①休符が多くあるのは、言葉の頭をはっきりと聞かせたいから。そのために意識しすぎることで②フレーズが作れず、ブツブツとしてしまうため、フレーズ◠を崩さないように意識すること
クレシェンドしています。クレシェンドの途中で休符がある時は、休符の間もクレシェンドが続いている意識で歌いましょう。そのため、「なんども」の練習では、「で」を符点二分音符として練習し、音の強さの感覚をつかんでから、四分休符を演奏するようにしましょう。
休符が多くなります。リズムを作るためであったり、言葉の頭をはっきりと聞かせたかったり、作者の意図を考えながら、意味をもたせて歌いたいですね。「きみも」は最初が「い」の母音のため、すぐに口をたてにしないとのどが閉まった声になってしまいます。「ぼくも」の「ぼ」をはっきりと発音するには、少し口を巻いてから発音。「わたしも」の「わ」は「う」の口をしてから歌うと良いでしょう。
何も意識していないとせわしなくなります。「だいちの」の「の」は次のブレスを意識しすぎて短くなりがちです。しっかりと保ってからブレスをしましょう。「ように」の「よ」はハーモニーを作るポイントです。男声・女声で完全四度・五度を作ります。うまく歌えれば、とても力強く響きますので、時間をかけて練習したいですね。
最後に帰着感、安心感のある安定の『ドミソ』のハーモニーです。ハーモニーを作る時は、横に広がるような声でそれぞれのパートの音色を整えて歌いましょう。手前のハーモニーと合わせて、練習の初期から時間をかけておきたいですね。
まとめ
この記事では、「大地のように」という合唱曲の魅力を紹介しました。この曲は、
- 卒業や別れを迎える中学生たちの心情を表現した合唱曲である
- 大地という自然の象徴を用いて、自分たちの成長や夢を比喩的に表現している