「だれのものでもない今を」楽曲の歌詞には、深い感動が込められています。
この記事では、歌詞の要点や主な表現技法を解説しながら、そのメッセージやテーマの意味を明らかにしていきます。
過去の出来事や悲しみにとらわれることなく、未来への希望と自己肯定感を抱き、今を生きる大切さを伝えるこの曲の魅力を探求しましょう。
全パート別Ver.※音量を修正し、楽譜を忠実に再現した完全版です。
ピアノ伴奏別Ver.※上のピアノ伴奏版です。
全パート(歌詞・楽譜付き)
https://youtu.be/HuzeG8HcbeM
ピアノ(鍵盤・歌詞・楽譜付き)
https://youtu.be/4N4EoQtUCQU
【各パート別】
ソプラノパート
https://youtu.be/ZN4G5dFSDHw
アルトパート
https://youtu.be/ZN4G5dFSDHw
テノールパート
https://youtu.be/UZbgmDSkw4k
【ステレオ再生】左右のスピーカーから別のパートが流れます。合わせの練習、一人合唱に便利です。
左:ソプラノ 右:アルト
https://youtu.be/l8BAf-e4_uE
左:ソプラノ 右:テノール
https://youtu.be/ESDUYWL5ipA
左:アルト 右:テノール
https://youtu.be/WBuGiZ99Bj4
【オルゴール】作業BGMやリラックスしたい時に。少しゆったり目に再生されます。
https://youtu.be/blHeEeN4CCk
曲の概要と歌詞の要点
- 作詞者・作曲者:森山至貴 さん
- 形態・形式:混声三部合唱の三部形式の曲です
- 歌詞の要点: この歌詞は、過去の出来事や失望から立ち直り、前に進む勇気を持つことの重要性を伝えています。
- 主な詩の表現技法: 反復法、比喩法、省略法
メッセージやテーマの意味
- この曲は、過去の出来事や悲しみにとらわれることなく、未来へ向かって進む勇気や希望の大切さを伝えています。また、自分自身を大切にし、他人と比較することなく、今の自分を生きることの意義を訴えています。
詩の表現技法の活用
この歌詞では、以下の表現技法が使われています。
- 反復法: 「夢さえ見なければ 夢などあきらめずにすむ」というフレーズが繰り返されています。同じ言葉やフレーズを繰り返すことで、夢を持ち続けることの重要さが強調されます。
- 比喩法: 「向かい風を受けて立ちすくむからだの(不安で凍りついたこのからだの)」というフレーズでは、不安を凍りついた身体に例えて表現しています。この比喩によって、感情や心の状態が具体的に描かれ、聴き手に強い印象を与えます。
- 省略法: 「なんの意味があるかわからず たどる記憶の中迷子になった心」というフレーズでは、一部の言葉が省略されています。この省略によって、心が迷子になった状態や迷いの感情が強調され、聴き手に自分自身の経験を思い起こさせます。
これらの表現技法は、詩の中でイメージや感情を生き生きと表現するために使われています。
反復法はメッセージの浸透や強調に役立ち、比喩法は抽象的な感情や状況を具体化して理解を深め、省略法は聴き手に解釈や共感を促す効果があります。
これらの表現技法を上手に活用することで、
より深い感情表現や詩の響きを生み出すことができます。
詩の構造やリズムの分析
この曲の詩の構造は、一部が反復される形で構成されています。また、リズムは比較的ゆったりとしたテンポで、落ち着いた雰囲気を持っています。歌唱する際は、感情を込めた穏やかな歌唱スタイルが適しています。
曲の解説
- 「きのうのそらのいろ~」 歌詞に弧線(「のう」の下にある線)がある場合はそのまま「きのう」と言わずに「きのお」と発音します。
- 歌詞からもわかる通り、ややネガティブな雰囲気から始まります。mpを意識して強くなりすぎないようにしましょう。
- 「あした(が)こわいから」の(が)の鼻濁音をnを先に発音するように優しく発音しないと主人公の繊細な感情が表現されません。
- 「ひとしれずながした」 Bメロになり、少しずつ主人公の人物像が見えてきます。「な(が)した」は鼻濁音ですが、きれいに発音しすぎても感情を表現できない気がしますね。自分自身に置き換えて感情的になってみるのも面白いかもしれません。
- 「きおくのなか」の「く」は男声から順にソ・レ・シと主和音。「か」は男声から順にソ・ミ・レ、「まいごに」の「に」はソ・ミ・シと続き、「なった」の「た」でレ・ファ♯・ラの属和音となっているので、主和音から少しずつ属和音に変化させることで主人公の心情が前向きに変化していく様を表しているように思えます。主和音は{現在・家・落ち着き}などの表現の際によく使われていおり、属和音は{決定・旅立ち・転換・変化}などが感じられるような詩にあてられることが多いです。最近の曲は三声のハーモニーを作ることが少ないので、作者の方のこだわりを感じます。ハーモニーの音だけを取り出して、「なった」の「た」のレ・ファ#・ラの音までの練習をして、和音の流れをつかむととても上手に歌えると思います。
- 気を付けたいのは「まいごになったこころ」の「こころ」の表現の仕方です。「迷子になった心」と体言止めになって印象を強めていますが、「迷子になった 心」と間に八部休符が入るため、何も考えずに歌うと次のフレーズである「思い出になるか忘れてしまうか」と言葉がつながり、まるで「心思い出になるか忘れてしまうか」と聴き手が誤解してしまうような文になってしまいます。属和音の後に八部休符があることで、今まさに踏み出す力強さを表しているので、「なった」の「た」を短くしすぎず、「まいごになった こころ」までフレーズがあるという意識をもち、サビの「思い出になるか~」で主人公の心情が大きく変化したことを全員が意識して歌いたいところですね。
- 「しんじているよ」の「い」でハーモニーがド・ミ・ラ。「る」でド・ミ・ソと下属和音。そして「よ」でシ・レ・ソの主和音と迷いのあった主人公が自らと向き合い、少しずつ心を落ち着けていく様子が描かれているようです。三声のハーモニーをよく意識して練習したいですね。
- 「ゆめさえみなければ~」 「ゆ」がしっかりと発音できるように、「い」の口をしてから「ゆ」と発音すると明瞭に聞こえます。
- 「[は]き[す]てた」 無声音ですね。息を混ぜて発音してください。ただし、Aメロはやはりネガティブな雰囲気を持っていますので、はっきりしすぎると雰囲気を壊します。繊細に表現したいところ。
- 上手に聴かせるのがなかなか難しい曲だと思います。最近の曲には珍しく、三声のハーモニーがとても多いです。そのため、意識せずにいると何度練習を重ねてもきれいに聞こえず、戸惑うかもしれません。しかし、和音の進行を考えて、ハーモニー練習をきちんと行っていれば、めきめきと合唱が上達する姿が目に浮かびます。
- また、注目すべき点は、強弱記号の指定の少なさです。おそらく、詩の内容を自分自身に置き換えて、強弱を表現することを意図しているのだと思います。自身のこれまでの辛い経験や、それを乗り越えた時の心情を考えた時、自然にあふれ出た表現を求めている気もします。
考えるほど深みにはまりそうな、分析しがいのある曲ですね!
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